第18章・罠-2

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私はゆっくりとテーブルに近づき、離婚届を手に取る。 本当に夫の欄はすべて埋まっていた。 ちゃんと印鑑も押してある。 じっくり確認していると、夫の声が頭上に響いた。 「好きな時に役所へ出せばいい、って言ったけど……」 私は用紙から視線を上げて夫の顔を見る。 夫は何かを考える顔で大きく息を吐き、言葉を繋いだ。 「一ヶ月くらいは待った方がいいと思ってる。念のために」
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