第20章・葛藤-2

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少し顔を上げると、くっきりとした白い月が視界に入る。 私は月を見つめながら、景太の声を聞いていた。 「本当は僕が先生を守りたい。全部、全部受け止めたい。でも……」 「…………」 「アメリカに行く日が決まったら、教えて下さい」 「景太君……」 「その時はちゃんと吹っ切りますから。先生のこと」 再び景太の横顔を見つめる。 景太もこちらを向き、街灯の下で私たちの目が合った。
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