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「身体に気をつけて、仕事も頑張ってね」
「頑張ります。先生もほんと、お身体には気をつけて」
「ええ」
景太の右手が差し出され、私たちは握手を交わした。
先に手を離したのは景太。
いろいろな思いをこめたような目で私を見つめ、「じゃあ」と去って行く。
私は景太の背中が小さくなるまで、その場に佇んでいた。
踵を返して部屋に向かう途中、見上げた夜空には、さっきと同じように月が白く光っている。
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