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『ずっと待ってる』
『ありがとう。待ってて』
そんなふうに約束することで、陽生君を縛りたくなかった。
陽生君の性格なら、約束なんてしたら絶対に守ろうとするだろう。
たとえ私への気持ちが冷めても、男気で約束を守ろうとする。
それは避けたかった。
もしも私たちの縁が繋がっているのなら……。
何年か先、例えば彼が日本へ戻ることになった時、もう一度会えるだろう。
その時、子供もいる私から陽生君の気持ちが離れていなければ、再び付き合えるかもしれない。
それは夢のような奇跡。
だから陽生君には自由でいて欲しかった。
私に縛られることなく、自分の道を生きて欲しかった。
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