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名残惜しい気持ちを引きずるように、私たちはゆっくりと小学校から離れた。
駅までの道を並んで歩き、同じ電車に乗る。
私の降りる町田駅にはすぐ着いてしまった。
陽生君は終点の新宿まで行くのだろう。
「陽生君……。今日は本当にありがとう。じゃあね」
「連絡待ってるから。ずっと待ってるから、絶対連絡してよ」
陽生君の声は、電車のドアが開く音と重なった。
私は陽生君を見つめ、小さく微笑んでホームへ降りる。
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