第21章・決意

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マンションに着く直前、陽生君からのメールが携帯電話に届いた。 部屋に入った私は、ベッドの端に座って本文を開く。 『今日は会えて嬉しかったよ。 俺は由布香が好きだし、プロポーズも本気。 決して一時の感情じゃないから心配しないで。 由布香も子供も大事にする。 俺が守るから! 気持ちが固まったら連絡して欲しい』 夢中で何度も何度も読み返した。 涙が溢れ、画面はぼやけて見える。 『私も会えて嬉しかった。 わざわざ帰国までして話を聞いてくれて、本当にありがとう。 落ち着いたら連絡します。 アメリカに戻っても身体に気をつけてね』 送信ボタンを押した親指に涙がぽつんとこぼれた。
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