第22章・10年待ってて下さい

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「そろそろ出ましょうか? 俺の告白大会みたいで照れ臭くなってきました」 私も景太もコーヒーは飲み終えていた。 景太が促すようにして私たちはカフェを出る。 乗ったエレベーターが一階に着いてビルの外に出ると、夕方の空気が心地良かった。 もうすぐ夏が始まる――。 「じゃあ先生、ここで。俺は用事を済ませて帰ります。先生も気をつけて帰って下さい」 「ありがとう。じゃあね」 情熱的な告白とは対照的に、別れ際の景太はあっさりしていた。
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