第23章・愛しい人と永遠に

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かなり迷ったが返信はしなかった。 まだ夫とは関わりたくない。 夫と普通にわだかまりなく話せるには、もっと長い年月が必要だろう。 景太は月に一、二回連絡をくれた。 会うことはなく、電話で短い近況報告をするだけ。 「好き」とか「付き合って」とか、色恋を匂わせる言葉はない。 私の体調を案じながら、友達のように接する景太の気遣いは有り難かった。 延々と続く蝉の鳴き声がぱったりと消え、朝夕の涼しさを感じ始めた頃…… 綾から電話があった。
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