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もしかして、シンが人に冷たく当たるのはそういうことも考えて……？
私が思うよりもずっと、マコトさんもシンも事態は深刻なのかもしれない。
――なんて思い出したらもう涙腺は緩んでしまって、シンの方を見れずに俯いた。
「百合」
そんな私の傍にシンが近づいて来て、ポンと頭に手が乗せられる。
それすらも涙腺を緩ませる要因になってしまい、唇を噛んで必死に耐えた。
「お前は前回の指輪探しの時も今回もそうだが、他人(ﾋﾄ)の感情に入り込み過ぎだ。毎回毎回苦しいだろ」
「……っ」
「自分を犠牲にしてまで他人を思いやる必要はない。まして、本体(ｶﾗﾀﾞ)のない俺のことなんか特に」
ギュウッとスカートを握りしめる。
シンが言葉では冷たいことを言っていても、それは私を思って言っているのだと分かるから余計に苦しくなる。
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