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シンも私を見下ろしていたらしく視線が合うけれど、取り乱すこともない。
「なるほど……やはり百合の手だけに強制交代出来る力があるようだな」
ふむ、と腕を組んで考え事をし出したシンは、さっき私とキスをした相手とは思えないほど普通だった。
私だけが勝手にワーキャー騒いでいただけかと思うと、何だか悔しくなる。
「他の部位で実験しなくていいの？この際だからやっちゃえば？」
半ばムキになってそう言うと、シンがニヤリと口角を上げて笑った。
「そんなに俺に触れたいのか？」
「ちっ違うけど！」
「けど何だ」
「だって何か……」
シンがあまりにも普段通りで悔しいんだもん、とは言えずに唇を噛みしめる。
私のことを意識しろとは言わないけれど、異性とキスをした事実にもう少し反応を見せて欲しかった。
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