第五話:マコトの想い

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「自分の気持ちがまだ分からないんです」 告白の答えにイエス、ノー以外が存在するだなんて考えもしなかった。 付き合いたいか、付き合いたくないかだけが告白の答えだと思っていたから、“保留”なんて選択肢は用意していなかった。 「マコトさんに好きだと言われてドキドキしました。嬉しい!って思いました」 「だったら――」 「でも同時にモヤモヤした……なんか複雑な気持ちも押し寄せてきて」 眉を寄せて俯いてしまった彼女は一体今、何を考えているのだろう。 僕に告白されて嬉しいと思ったのに複雑な思いが過るとは……、まさか――。 「……シン、のこと?」 “シン”と言う言葉にぴくりと肩を震わせた彼女。 この告白のネックになっているのは、やはりもう一人の僕の存在なのだ。
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