第六話:闇のココロ

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「ねぇ……この間の告白……視てたんでしょ?」 「あぁ」 勇気を出して聞いてみた割りにはあっさりと返ってきた返答に、肩透かしを食らってしまう。 けれど、ここでやめる訳にもいかずに話を続ける。 「どうして何も言わないの?」 「何か言って欲しいのか?」 何か言いたそうだから聞いているのに、質問に質問で返すなんてズルい。 それでも怯まずに話を続けられそうなのは、シンに鍛えられたお陰かもしれない。 「シンだって分かってると思うけど、あれから私たち微妙な雰囲気で過ごしてるでしょ?私は告白を視られたってことで動揺してるけど、シンはどうして?それが聞きたい」 少し離れたデスクからシンの瞳を見つめる。 今度は逸らされなかった視線に、ドキドキと胸は高鳴っていく。 期待しているような言葉をもらえるとは思っていないけれど、シンがマコトさんの告白をどう思ったのか聞けるのであれば緊張する。
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