第六話:闇のココロ

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カフェオレに口をつけながら姿勢を正すと、シンがデスクに腰を預けるようにして私を見下ろした。 「聞くまでもないと思うが、百合は“俺ら”に付き合う覚悟はあるんだな?」 シンがわざと強調した“俺ら”と言う言葉には、マコトさんのことが含まれているのは分かりきっていて、もちろん覚悟も出来ている私はコクリと力強く頷いた。 「百合は人格障害を治したいと思ってるのか?」 「シン……」 「正直に答えてくれ」 告白と同様でストレートなシンの問いに、私の心はぐらぐらと揺れ動く。 シンのことはもちろん異性として好きだけれど、マコトさんも異性として意識はしていないものの好きであることに変わりはない。 だから、二人にとって良い方向に行く解決法があるのならば、それが私の望まんとする先だ。 「私は……どちらか一方に未来がなくなるような選択はしたくない」
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