第六話:闇のココロ

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「私はシンに触れないけどすっごい触りたいんだからね?」 「……変態だな」 「いやっもう!そういうことじゃなくて!」 「はいはい分かった分かった」 自然にふざけ合って笑い合って、今だけは人格障害のことは忘れて幸せな気分に浸った。 このあと、再びお互いにとって苦しい話をしなければならないことが分かっていたから。 ***** 「こんばんは」 その夜、シンが冴子さんを連れて私の部屋を訪れた。 私を含め、シンとマコトさんの今後を相談するためだ。 「百合さん、想いが通じ合って良かったですね」 ふわりと笑った冴子さんが私とシンを見比べながら祝ってくれた。 「素直にありがとうございますって言えないんですけどね」 「あら、そこは素直になっても良いと思いますよ?百合さんはもっと自分を労ってあげてください」
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