第六話:闇のココロ

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「マコトかシン、どちらかが人格障害になった経緯を知りたいと思い、本気で治したいという気持ちになったら話してくれ。そう宝来社長から言付かっておりました」 「親父が?」 初耳なのかシンは怪訝そうに眉を寄せた。 そう言えば、社長には一度もお会いしたことがない。 お忙しい方だとは聞いていたけれど、数ヵ月副社長秘書をしていて一度もお会い出来ないのは不思議だと思っていた。 冴子さんの話からすると、わざとマコトさんやシンに会わないようにしていたのかもしれない。 「シン、あなたのお父様は何をされている人ですか?」 「は?」 冴子さんの質問の意図が読み取れないらしいシンがさらに眉を寄せるけれど、冴子さんは特に気にした様子を見せない。 「トレジャーランドの社長だろ?」 「では、お母様は?」 「…………」
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