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「うるさい」
「えーだって初日の花火は仕事の一貫なん――」
抗議の言葉は途中で熱いキスに塞がれてしまった。
私の全てをむさぼるような激しいキスに、段々と頭が回らなくなってしまう。
それでも、キスの合間に「花火が見たい」と告げると、少し考え込んだシンが私の体を回転させて窓に手を付かせた。
「これで見えるだろ」
「み、見えるけど……んッ」
シンのキスは唇からうなじへと変わり、浴衣から覗く肌を念入りに舐め上げる。
その度にゾクゾクとした快感が背筋を駆けめぐり、花火になんて集中出来そうにない。
「……は……シン……ま、待って」
「花火より俺がよくなったか?」
後ろから抱きしめるようにして耳元で囁かれ、私はとうとう白旗を上げた。
そのあと、せっかく着せてもらった浴衣はシンによって見事に脱がされ、花火をバックに二人の甘い一夜が幕を開けた。
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