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パアと冴子さんの表情が明るくなった。
こんな私でもこうして力になれることがあるのなら力になりたい。
それに、前の会社で感じられなかった、“私を必要”だと思ってくれる場所があるのなら、そこが私の居場所だと思うから。
「良かった……ありがとうございます!詳しいことはまた後ほどお話しますが、とりあえずマコトには百合さんが研究に協力していることは秘密にしておいて下さい」
「え?」
「マコトは……自分の障害にまだちゃんと向き合えていないから」
そう目を伏せて呟いた冴子さんはとても悲しそうな表情をしていた。
私には分からないことが色々あるのだろう。
そこに深く触れるつもりはない。
「分かりました」
「ありがとうございます。では食事にしましょう。もうマコトも戻って来ますから」
そう言ってパソコンをパタンと閉じた冴子さんは、にこやかに部屋をあとにした。
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