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しばらくすると、冴子さんが宝来真と共にダイニングルームへ戻って来た。
「マコト、一応百合さんにはお話したけど自分で自己紹介して?」
そう冴子さんに振られた宝来真はペコと少し頭を下げて「改めまして宝来真です」とふんわりした笑顔で自己紹介してくれた。
そんな笑顔にキュンとしながら私も頭を下げる。
「高月百合音です」
「ユリネ……ってキレイな響きですね。僕は百合音さん、って呼んでもいいですか?」
名前の響きがキレイだなんて初めて言われて照れたけれど「はい」と返事をすると、宝来真は笑みを深めて喜んでくれた。
「僕のことは百合音さんの好きなように呼んで下さい」
「あ、じゃあ……マコトさん、で」
こういう出会いの場で仲を縮めるための“呼び方”云々の件(クダリ)は、何度経験しても照れくさいものだ。
少し頬を染めながら、促された席へと腰を下ろした。
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