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それでも探す手は止められない。
ハァ……と頭上からため息が降ってくるけれど気にせず、懐中電灯を薄暗い闇に照らし続ける。
「もう少し頭を使え」
「え?」
「闇雲に探しても見付からない、と言っているんだ」
そう言うとシンは、私の手首を掴んで廊下を歩き始めた。
やっぱり……シンが私に触れてもマコトさんに交代しないようだ。
と言うことは、昨日触っても交代しなかった例外は、時間が関係しているのだろうか?
なんて考えていると、シンの手が離れて歩みも止まった。
「この辺りを探してみろ」
ここは温泉施設内にある小さなギャラリー。
絵画や彫刻などの作品が並べられてあるだけで、よっぽど手持ち無沙汰な客しか足を踏み入れないような場所だった。
「……でも、佳奈さんはここに立ち寄ってないって」
だから、一応……くらいに簡単に探した場所だ。
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