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シンと交代して現れたマコトさんに指輪の件を説明した翌日。
私は無事に、大切な指輪を佳奈さんの元へ届けることが出来た。
「百合さん、本当にありがとうございました」
「いえ」
指輪を大切そうに両手で包み、何度も何度もお礼を口にする佳奈さんはとても嬉しそうだった。
そんな佳奈さんを見て、私も晴れ晴れとした気持ちになる。
「副社長さんにもお礼を伝えてもらえますか?」
「えっ?」
実は、と話し始めた佳奈さんの内容に、私は目を丸くした。
指輪が見付からず、不安で眠れない夜を過ごしていた佳奈さんの元にシンが訪れて、「明日私の秘書が必ず届けに参ります。安心して眠ってください」と言ったのだそうだ。
まさかシンがそんなフォローをしてくれていただなんて知らずに“冷たい男だ”と愚痴った自分の狭い心が恥ずかしくなった。
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