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「ありがとうございます」と私も水の入ったグラスに口を付け、ドキドキを誤魔化すように呟いた。
すると、マコトさんの笑顔がなんだか少し悲しい笑顔に変わってしまい、心配になって覗き込む。
「マコトさん?」
「……僕も百合音さんと一緒に指輪を探したかったです。あんな真夜中まで大変だったでしょう?」
私のミスでシンと交代したマコトさんが一番驚いていたのは、懐中電灯を持った私と温泉施設にいたことだった。
「大丈夫ですよ!最後はシンが指輪を見付けてくれましたし」
「……シン、か。もう一人の僕ですね」
「あ、ご、ごめんなさい」
シンの名前を出した途端、マコトさんがピクリと眉を動かし笑顔を絶やした。
シンもマコトさんの名前を出すと嫌がっていたけれど、マコトさんも同じなのだろう。
それほど人格障害を持っている人にとって別の人格とは、嫌悪する存在なのだろうか。
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