375人が本棚に入れています
本棚に追加
私の頬を摘まむ……と言うより、最早つねっているシンの手首を掴んではがす。
あわよくば、マコトさんに交代しないかと思ったけれど、やはりそんなにコロコロと交代はしないようだ。
「いつの間に代わったの?」
「お前が気持ち悪く視線を下げた辺りからなんとなくな」
「気持ち悪いって……」
「マコトのことが好きなのか?」
「はっ?」
目を細め唇に指を押しあてるシンは、珍しく興味深げに私を見ている。
「こっちから見る百合はマコトを誘うような目をしてたぞ?」
「うそ!ちょっと勝手に見ないでよ」
「見たくて見てるわけじゃない」
そうですよね、そうでしょうとも。
シンにはマコトさんが見て聞いている状況がテレビを見ているように視えるんだから、そう思うのも無理はない。
だけど……視られてると思ってマコトさんに接するなんて器用なことは私には出来そうにもないし。
最初のコメントを投稿しよう!