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ハァとため息を吐いて肩を落とすと、シンがクスリと笑った。
「万が一お前がマコトと付き合うことになったら、もれなく俺も付いてくるんだからな?」
「え?」
「マコトとキスしたりそれ以上のことをした場合、俺が客観的に視てるってことを忘れるなよ?」
「――ッ!」
その意味を理解した私の頭が沸騰すると、シンはニヤリと笑ってダイニングルームを出て行った。
一人になったこの部屋で私は「ああっ!」と頭を抱える。
どうしていつもシンに負けるのだろう。
それはもちろんシンの方が私よりも数倍頭が良くて回転も早いのは分かっているけれど、あんな風に言われたらせめて一勝くらいはしたい。
いっそマコトさんと本当に付き合ってみる?
そうしたらシンが嫌がることをマコトさんと……。
なんて考えて端と気が付いた。
これじゃあまるでマコトさんを利用しているみたいだし、そもそも根本から間違っている。
私は再び頭を抱え、有り得ない未来を考えるのは止そうと深呼吸を繰り返した――。
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