第三話:置いてけぼりの想い

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私はシンよりもマコトさんの方がタイプ。 ただそれだけの違いなのだろう。 「……ここか」 「?」 私の歩幅なんかお構いなしでスタスタと歩いていたシンが歩みを止めたのは、モール内にある一店舗のレディースファッションブランドのお店。 きっと、さっき渡した要望書を出した店舗なのだろう。 店の前に設置されたベンチに腰を下ろし、スッと流れるように足を組んだシンが眉を寄せた。 「このベンチを撤去して欲しいと要望がきた」 「撤去……ですか」 「固定式のベンチだ。そう簡単に分かりましたと撤去出来るものではない」 まぁ確かに。 よく見てみると、このベンチはここに生えてきたかのような造りで、地面と壁の一部と化している。 撤去するとなれば、大掛かりな工事になってしまうだろう。
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