ふたつのココロ

第一話：彼の秘密

番組で紹介されていた場所はいわゆる複合商業施設で、遊園地を中心にショッピングモール、映画館、プールや温泉が建ち並ぶ、リゾート施設とも言える場所だった。

そこへ行ったところで広すぎて見付けられるかどうかも分からないし、ましてや、明日も彼がそこにいるとは限らない。

だけど、なぜか“会える”と根拠のない自信が私の背中を押した。

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翌日。

私は例の複合商業施設へと足を踏み入れていた。

ガイドマップを手に鼻息荒くキョロキョロと視線を動かす私は、端から見たら不審者そのものかもしれない。

「……はぁ」

丸一日かけて探し歩いたけれど彼の姿は見つけることが出来ず、棒のようになってしまった脚をベンチで揉みほぐしていた。

一体私は何をやっているのだろう。

仕事もなく今はこんなことに時間を割いている場合ではないのに。

そもそも、彼に会って私はどうしようというのだろうか。