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戯れの風と遊ぶ
彼の考え方は
少し変だった
薄くぼんやりした靄を滲ませながら
熱く冷静に語るは
数学論
お構いなしに
数字の配列ハイレベル
素直な端正な作りの顔が彫刻のように
冷淡さを増す
どこを好きになってしまったのか
受け入れ難い人間の部類なのに
ほんの隙間に
見せた微笑みが
余韻を残して
戯れの風と遊ぶ
恋とは
不思議な感情で
容易く落ちてしまうもの
貴方の真剣さが
枯れ葉のなかで
舞い
戯れの風と溶ける
どこまでも
数字の音符を
追いかける
そんな日常が
自然に
育まれていく
恋から愛へ
移行する力を
隠しながら
秋は深まり
色濃い恋を翳す
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