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パンにバターを塗りながら尋ねてきた、
嘉納くんの言葉をはぐらかす。
「覚えてないならいいんだ」
うんうん、と一人で頷いてますが。
でもね?
「あのね?
今日お買い物に行きたいんだけど……。
ダメかな?孝史くん」
「……!」
いたずらっぽく笑ってみたら、
みるみる嘉納くんの顔が赤くなった。
「……なあ、潤。
なんでおまえ、そんなに可愛いわけ?」
「えー?」
……なんだろね?
嘉納くんは女の子から名前で呼ばれるの、
初めてじゃないだろうに。
「昨日は酔ってるからだと思ってたが……。
普段でも可愛すぎだろ、それ」
ため息交じりに嘉納くんが笑う。
「人前で名前呼び禁止、な。
俺、冷静でいられなくなるから」
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