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「ならいいけど。
俺の結婚式になって別れてた、
とかいうことだけはないようにしてくれよ?」
「大丈夫、大丈夫」
嘉納くんは笑ってる。
私もぎこちなくならないように
気をつけて笑った。
「すみません、カシスソーダ」
「潤?飲み過ぎじゃないか?」
「大丈夫だもん」
店員さんを呼び止めて注文したら、
嘉納くんの顔が僅かに曇った。
でも、今日は飲みたい気分。
結局、三杯カシスソーダを飲んでお店を出た。
タクシーで一緒に、嘉納くんの家に行く。
家に着くと、嘉納くんは私を床に座らせて、
お水を汲んできた。
「ほら、潤。水飲め」
なんだかふわふわする。
いまならずっといえなかったことがいえそう。
「ありがとー、孝史(たかし)くん」
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