直輝の元に

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もっと、普通の下着が好きなの。 顔も服も直輝色に染められていく。 私はただの人形。 「直輝に任せるね」 自分の意見を言う事は許されない、ただ、直輝に従うだけ。 「わかった。 俺が冴に似合う服を選んであげるからね」 直輝は嬉しそうに呟いている。 いつか顔と服だけでなく、身体も直輝のものになるのだろう。 でも心だけは私のもの、心は直輝に開かない。 それが、私に出来る唯一の抵抗。 「冴。退屈だよね。 ゲームでもする? オセロに、トランプ、将棋もあるよ」 ゲームより、テレビか新聞でニュースが見たい。 今、私が行方不明になってる事がどう報道されているのかを知りたい。
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