直輝の元に

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私は直輝にお礼を言って、私を見つめる直輝から目をそらせた。 「冴、恥ずかしがらなくてもいいんだよ? 欲しい物、したい事を何でも言ってごらん。 俺は冴の為なら、何でもしてあげるから」 直輝を見て、曖昧に微笑んだ。 本当は何もいらないから私を解放して、そして、もう誰も殺さずに警察に出頭して欲しい。と言いたかった。 決して言えない本音。 「大丈夫。今は他にはいらないから」 直輝が、私の身体を舐めるように見ている。 嫌…… 「冴の身体は、俺のもの」 「これからは、シャンプーも、歯磨粉も、洗濯洗剤も、すべて俺と一緒だよ」 気持ち悪い。 シャンプーやボディソープは、谷口さんの家にいる間は借りるけど、ここから出たら今まで使っていたものを使いたい。
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