直輝の元に

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「冴。おはよう」 朝、直輝の声で目覚めた。 直輝が私の顔を覗き込むように見ている。 昨日は途中で目覚める事はなく熟睡出来た、疲れていたせいだと思う。 あのまま永遠の眠りについたら、どんなに楽だっただろう。 また、殺人犯の直輝との1日が始まる。 唇は少し痛みが取れたが、鼻はまだ痛い。 ガーゼを外したら、どんな顔になっているのだろう。 自分じゃない自分の顔を見るのが怖い。 直輝がスマホを取り出して電話を始めた。 「ああ、今起きた。 よろしくお願いします」 相手は山口さんだろう。 「冴。山口さんが、すぐに来てくれるから。 一度見てもらおう」 直輝は電話を切ると、私に話しかけてきた。
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