1469人が本棚に入れています
本棚に追加
「冴。おはよう」
朝、直輝の声で目覚めた。
直輝が私の顔を覗き込むように見ている。
昨日は途中で目覚める事はなく熟睡出来た、疲れていたせいだと思う。
あのまま永遠の眠りについたら、どんなに楽だっただろう。
また、殺人犯の直輝との1日が始まる。
唇は少し痛みが取れたが、鼻はまだ痛い。
ガーゼを外したら、どんな顔になっているのだろう。
自分じゃない自分の顔を見るのが怖い。
直輝がスマホを取り出して電話を始めた。
「ああ、今起きた。
よろしくお願いします」
相手は山口さんだろう。
「冴。山口さんが、すぐに来てくれるから。
一度見てもらおう」
直輝は電話を切ると、私に話しかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!