直輝の元に

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直輝の顔がさっきまでの優しい表情から、氷のような冷たい表情に変わった。 「冴、どういうつもり?」 「ごめんなさい。ごめんなさい」 直輝が怖くて、謝り続けた。 「今度、同じ事をしたら許さないよ。 冴が俺に逆らえば、誰かを殺すから」 「ごめんなさい。 絶対逆らわないから許して下さい」 自分から直輝と手を繋いだ。 「わかればいいんだよ。可愛い冴」 直輝の顔が優しい表情に変わっていく。 直輝は一体いくつの顔を持っているのだろうか。 リビングに入ると、テーブルに朝食がセットされていた。 ここは、診察室や、寝室のような殺風景な部屋と違い、明るい雰囲気の部屋だ。 クリーム色の壁紙、窓辺には大きな観葉植物。 食器棚には、一目で高級だとわかる食器が並べられていた。
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