直輝の元に

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「美味しい」 そう答えると直輝は嬉しそうに笑った。 私さえ直輝の気にいるようにしておけば、誰も死なない。 おかゆを食べ終わった後、直輝が食べるのを眺めていた。 「ご馳走様でした。 さあ、冴。 もう一度消毒をしてもらいに行こう」 直輝が手を合わせたので、私も一緒に手を合わせ、ご馳走様でした。と言う。 直輝は、どんな家庭で育ったのだろう。 両親はいないのかな? 席を立つと、直樹が私の腰に手を回してきた。 何も言わずに、直輝と一緒に診察室に向かった。 「谷口さん、おかゆ美味しかったです。 ありがとうございました」 「それは良かった。 俺は料理が趣味だからね」
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