第2章 体育祭の話

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「香水? 使ってないけど…臭かった? あ、もしかして汗かな、くさいよねごめん」 「いや、違くて…、汗じゃなくて…」 汗じゃなくて、 もっと別の、甘いなにか 「んー…?…あ。今朝、シャツ用意してるとき姉ちゃんが香水つけてたから移ったのかも」 腕を上げて袖の匂いをかいでるがよくわからないらしく んー、なんだろう… と眉を顰め、首をかしげている 「菫、かいでみて? 俺よくわかんないや」 汗臭かったらごめん、と言う雪成に 頷きながら 雪成の着ているTシャツの袖口に鼻を寄せる。 が、 「ちょっと…違う? いい匂いだけど、さっきのじゃない、これは多分香水かな…」 袖口から香ったのはどこか爽やかな花の香り さっきのは もっと甘くて、優しい…… 「、ぁ」
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