0人が本棚に入れています
本棚に追加
子どもにシロと名を付け、一緒に暮らし始めてそろそろ1ヶ月になる。
「はい、クロ」
「ありがとう」
マグカップを受け取り、口を付ける。
シロはまた猫を抱き上げて、ベッドに座った。
誰かがシロを捜索している様子もない。
動くなら今だ。
「金はあるし、多少家賃が高くてもいいところにする」
「クロ、ごめんね。引っ越すのって僕のせいでしょう?」
「シロが気にすることは何もないよ」
パソコンを置いてあるデスクから離れ、俺もベッドへと座りシロの頭を撫でてやる。
そこへ突如としてドアがノックされ、宅配だと告げられる。
玄関へ行き、ドアを開ければ、大きな箱を抱えた宅配業者が立っていた。
荷物を受け取り、部屋の中へ運び入れる。
差出人が明記されておらず、中身も何だか判らない。
シロをちらとみやり、じゅうぶん警戒しながら荷を解いた。
最初のコメントを投稿しよう!