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全てを、坂本一也の口から告げられ
俚乃はそうですかと儚げに微笑んだ。
「嫌われた訳じゃなかったので…逢います」
と、確りとした視線で答える俚乃に奈津子が涙をポロポロと落とした
「泣かないで?奈津美子さん…私は大丈夫です」
「俚乃おぉ…何が大丈夫なのぉ~全然らいじょうぶじゃらい…ぐすっ」
「湊さんがその人を選んだなら、私は何も言いません
今まで散々泣いて来たんですもう、泣かないです」
唇を噛み締める俚乃を見て
涙腺が緩みっぱなしの奈津子をポンポンと優しく撫でると
一也がすまんなと苦笑いを俚乃に向けた。
「会うので…セッテイングお願いできますか?」
と、強い視線で言う俚乃にコクンと頭を上下に振り
電話を掛ける。
俚乃は自分の携帯の湊のメールと履歴を見つめ
苦笑いをしながら、その番号を削除した。
彼女と繋がった携帯を、記録しているのも正直嫌だと感じたから。
切って捨てれる程の軽い思いならどれだけ良かっただろうか?
忘れられない
だからこそ
貴方と友達に戻る事くらいは許して欲しかった。
思う事を辞めるのではない
友達として側に居る事を選びたい
それほど貴方に夢中だったのだから。
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