第1章

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旅行に行きたい。 そう思ったら、いてもたってもいられなくなった。 美鈴はすぐさま旅行サイトにアクセスし、カレンダーと仕事のスケジュールを確認しながら、一番近い日を予約した。 ひとり旅だからこそできる、素早い決断だ。 有給も取らずに予約するのは少々無謀だが、この日なら多分大丈夫だ。 翌日、上司からは無言の圧力を受けるのみで、無事有給の申請は通った。 「松葉さん、旅行ですか。どこに行かれるんです?」 同僚に声をかけられる。 「うん、沖縄」 「誰かとですか?」 「ひとりよ」
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