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和聡から三行半をつけられたのは、2年ちょっと前。
ただ遊んでただけの女と、週刊誌に撮り続けられたのが原因。
もともと10代から。
別れたり、付き合ったり、セフレだったり…を、繰り返してきたオレたちには
厭にアッサリした最後だった。
「もう銀には堪えらんない!別れる!!」
怒鳴り声と一緒に合鍵を投げつけられて、単純にキレたオレは
「あっそ、勝手にすれば?」
そんな簡単な台詞で、終止符を打った。
―――あれから2年…。
いつものように、すぐに持ち主に戻されると踏んでいた、和聡に投げつけられた合鍵は
未だオレのキーケースの中で眠っている。
和聡のために造った特別仕様。
空模様のカードキー。
いつだったか2人で一緒に見たロサンゼルスの大空に、とても良く似ていたから。
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