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「まじ、来た早々怒鳴られるとか萎えるし…」
「はぁ?」
ほら。
結局は、こうやって。
いつもスレ違って、話は終わるんだ。
ほんとは聞きたい事もあったのに、それ以上進めるのがめんどくさくなって。
オレは違うソファーに座る、顔見知りの女の腰を抱いた。
和聡と別れたって。
性欲処理だけなら簡単だ。
今夜はこの美人を抱けば良い。
でも、オレの女になるからには。
1つだけ約束を守らなきゃならないってこと、先に教えておくから。
「ベッドん中では、オレのこと。ぎん、って呼ばないでね」
「えぇー?なんでぇー??」
甘えるような猫撫で声と一緒に、発情した女がオレの太股を撫でる。
もうちょい、右!とか。
刺激を受けたいとこが違って、高ぶる感情。
「何でか知りたい?」
そう口角を上げて笑えば、女は頬を紅く染めて目を閉じる。
「じゃあ、教えてあげるよ…」
容易に手に入った女にキスする瞬間。
女の肩越しに、和聡と目が遇って。
…その目を閉じる事が出来なかった。
唇は、名前以外知らない女なのに。
重なる瞳は、和聡の強い眼光で。
ヤバい、何か、これ。
和聡とキスしてるみてぇ。
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