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僕は黙ってジュースを飲んでいた。
シズとヒロミが楽しそうに話している。
なんだか、痛々しい…。
…僕のせいなんだろうか?
「じゃあ、そろそろ、行こっか?」
シズが僕に言った。
「…う、うん」
「私はもう少しここにいる」
ヒロミが言った。僕らは立ち上がった。
「じゃあね」
「じゃあ」
シズと僕は店を出た。
僕らはしばらく黙って街を歩いた。
「ねえ…」
シズが口を開いた。
「ヒロミのこと、好き?」
「…それより」
「それより?」
「二人に悪くて…」
…。
「どうして、こんなことになった!」
僕は地面を蹴った。
「でも、あの不思議な出来事がなかったら…」
「なかったら?」
「あなたは今、ヒロミと付き合ってた…」
シズがつぶやいた。
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