第1章

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 放課後。  今日は一人で街をぶらつくことにした。  …退屈だな。  いた。シズが。 「いけないと思ったんだけど、ジュンのこと、探してた」  僕は、自分を抑えるのをやめた。  シズにキスした。  楽しかった。二人でいるのが。  街が、祭りのように活気づいてみえる。  僕らはその中を泳ぐように歩いた。  まわりが僕らを祝福している。  街の喧騒から離れた裏通り。  目的の店に向かうのに、僕らはそこを歩いていた。  いた。  ヒロミだ。  彼女の目から涙が落ちている。  彼女は僕の頬をビンタした。  そして、どこかに走り去った。 「ヒロミ…」  横でシズが頭を抱えている。 「どうかしたのか?シズ」 「ヒロミの記憶が…」 「ホントなのか?」 「彼女、私たちのクラスメイト。私と、ジュンのこと、とりあってた…」  僕の頭にもその記憶が蘇ってきた。  …ヒロミ。  僕は路地の真ん中に立ち尽くした。
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