第1章

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 放課後の街を一人で歩く。  どうすればいいんだろう?  ヒロミもシズも、両方好きだった。同じくらい。 「ジュン!」  シズだった。笑顔で、向こうで手を振っている。  シズと街を歩く。 「私とヒロミ、二人がいたとき、ジュンはヒロミを選んだ…」 「そうだ…。記憶がそう言ってる」 「何にも言わない。私はジュンのこと、好きだし、ヒロミも多分そう。ジュンが決めるしかない…」  …。 「じゃ、私、いくね」  僕は一人になった。  ヒロミといつも一緒だった公園。  僕はベンチで一人、座っていた。  ふと、自然に、横に女の子が座った。  ヒロミだった。 「また、付き合おう」  ヒロミが言った。 「それともシズの方が好きになったの?」 「わからない…」 「決められないの?」 「…うん」 「じゃあ、私、ジュンと別れる」 「えっ?」 「その方がいいよ。シズと付き合いなよ。私は新しい彼、見つけるから」  ヒロミが頬にキスした。 「じゃあね」  笑顔でヒロミが言った。  僕は、彼女を抱きしめた。 「ゴメン…」  僕はヒロミにキスした。
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