第1章

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 放課後。  街をシズと歩いていた。 「私でよかったの?」 「ヒロミが僕をふったんだ」 「そう…」  シズが少しして、笑顔で。 「楽しくしよう。せっかくだからさ」 「うん。そうだね」  僕らは街に飛び込んだ。  色。空気。匂い。人の流れ…。  …ヒロミがいた。  クラスメイトのユウキと。 「オハヨー」 「…やあ」 「私たち、付き合いはじめたの」 「…そう」 「楽しくできたらいいね」 「うん」 「じゃあね!」  笑顔のヒロミが人ゴミに消えた。  公園。  なんとなく、ボーッとしている僕。 「やっぱり、ヒロミのこと、好き?」 「…いや。状況が目まぐるしく変わるから、うまく適応できなくて…」 「…そーだよね」 「ゴメンね」 「いいの」  シズが頬にキスした。  僕は彼女を抱きしめた。
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