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「はい、今回のあなたのランクはCね」
「ああ……今回はいけると思ったのに」
「残念ね、でもあと少しだから頑張れ! それじゃ……次は荒田君、来てくれる?」
「……はい」
俺は担任の先生に、呼ばれたため教室の椅子から立って、黒板の前へと近付いた。
今日は、この超能力が当たり前となった時代の、超能力テストの日。
学校中同時に行われて、一人一人が超能力がどれぐらい成長したかを確認するためのテストだ。
それはランクによって、区別されてEからSまでに分けられる。
ちなみに、Sランクの超能力者なんてこの街に数える程しか居ない。
ほとんどは、CからDまでだ。
Eというのも、あまりいないが、少なくともこのクラスに一人は確実にいる。
それは……。
「荒田君……今回もEランクだったわね、大丈夫! めげないでね! 努力すれば必ず結果はついてくるから!」
「……はい、頑張ります」
何故なら、それは俺だから。
Eランク。
それは、ほぼ何も超能力が使えないということ。
このクラスの奴らが、手を使わずに物を動かしたり、何もしなくても炎が出せたりというのが、俺には出来ない。
遠くから指を加えて見ていることしか出来ない。
いつも通りの結果に、俺は自分の席に戻ろうとした。
戻る途中に、クラスの奴らは鼻で俺のことを笑う。
そりゃそうだ。
Eランクなのだから。
何が、夢の力で誰でも扱える力だ。
超能力が始めて、開発された時代に、テレビではこんなことを言っている奴がいた。
これで、社会の能力の格差はなくなる。
誰でも、簡単に超能力が扱えて、便利な時代となる。
初めは俺もその言葉を少し信じていた。
だが、そんな言葉を信じた俺は馬鹿だったと思う。
「それじゃ、今日はテストも終わったし、みんな疲れていると思うから、帰っていいわよ!」
担任からこう言われて、もうクラスの中はとても大騒ぎだった。
ぞろぞろと教室から、クラスの奴らが出て行く中、俺は一人椅子にじっと座っていた。
俺以外の奴らが帰った後、俺の前に近付いてきた人物がいた。
「いつも、ごめんね……一樹」
「いや、いいよ……もう慣れてるから」
言い忘れていたが、この人は葛谷恵理(くずやえり)。
俺のクラスの担任であり、俺の仮の親でもあった。
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