第1章

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 だが、それでいい。  そうなったら、俺の思うつぼだ。  『テレパシー』はもともと、相手の気持ちによって効果が変わる。  相手が、動揺しているほど、深く相手の気持ちを読むことが出来るというわけだ。 「なら、俺もお前を殺すつもりでいくぜ」  そんな中、俺は深い隠しポケットの中から、ある物を取り出した。  それは、そう銃だ。  実は、この時代には、高校生の銃の所持は認められている。  もちろん、それは許可も必要で、ランクはEの人しか所持してはいけないというルールは存在している。  しかし、その俺の取り出した銃を見ても、水上は怖がるどころかむしろ笑っていた。 「ははは! おいおい、まさかそんな黒いおもちゃで俺を殺すつもりか?」 「ああ、そうだ、お前は俺に負ける」 「ふーん……そこまで言うなら、信じてやるよ、まあその前に俺がお前を殺すけどな!」  水上はそう言い放つ、勢いよく俺に対して近付いてきた。  俺が父さんに託されたのは、この『テレパシー』の力だけではない。  それはこの銃を使った戦い方。  そして、この銃は普通の銃とは違う。   「ははは、死ねよ!」  俺は、近付いてくる水上に対して、構えている銃の引き金を引いた。
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