好奇心はババネコを殺すか～あぶないかず（かず）～

１、怪盗ババネコ狩り

１.

　「着ぐるみショー、スタート！」

　「ご来園の皆さん。これからぐるニャンズＶＳばばねこショーを開催します。遊園地の中を逃げ回る悪いばばねこを、みんなの味方ぐるにゃんズがやっつけてくれます。みんな応援して下さいね」

　「はーいっ！」

　祝日の遊園地。家族連れの観光客でごった返す特設ステージで、さるの着ぐるみをかぶった警視庁捜査一課の石黒かず子は、警部、久留米りんの合図でショーの説明をする。ババネコと呼ばれる犯罪者もネコの着ぐるみを着ている。警察の逮捕から逃れるため。

かず子たち警視庁は、観客に被害が及ばないためのカモフラージュで着ぐるみショーを演じている。

　「元気がいい返事。ババネコはひとのものを盗む大泥棒。とっても危険な相手です。観客のみなさんは安全なところでショーを見学して下さい。わかったかな？　合い言葉はジャマイカ！」

　「ジャマイカっ！」

　「それじゃあ、ぐるにゃんズのリーダー、三毛猫のぐるにゃんから観客のみなさんに特別なお知らせがあるそうです」

　かず子は、三毛猫の着ぐるみをかぶるリンにマイクを手渡した。

　「ババネコを発見したひとは、わたしの仲間に教えてね。教えてくれたひとには、素敵なプレゼントを差し上げますっ！　それじゃあぐるにゃんズのみんな。ババネコ退治スタートよ」

　リンは、ぐるにゃんズこと警視庁の刑事一同に合図を出し、決めておいたポイントに配置につかせる。