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「あと2秒~、あと1秒~」
「っ! う……うわあああああ!!」
弾かれたように玲二は大神に背を向けて走り出した。
「ゲームスタート!」
カウントを終えた大神は右手を前に突き出した。
すると彼の手のひらに黒い煙のような物が何処からともなく集まり、鎌の形へと変化していく。
巨大な鎌の形となった煙を大神が掴むと、その煙は瞬時にデスサイズへと変化を遂げた。
「さあ、何処までも追いかけて行くよ……」
ベロリと唇のまわりを舐めて、必死に逃げる玲二を追う大神。
(うう……! 早くしないと、兄貴と鈴ちゃんが危ないのに!)
走りながら後ろを見て、大神の様子を確認する玲二。
ただでさえ時間が無いというのに、彼に見つからないよう慎重に行動しなければならなくなってしまった。
(いざって時には……この銃で……!)
銃を持つ手に力を込め、玲二は大神と距離を離すべく、ひたすら走り続けるのだった。
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