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が、扉が閉まると同時にガンッという衝撃音が響き、玲二の左肩を何かが貫いた。
「あっ……ぐ……」
激痛がはしり、違和感のある左肩を見ると、自分の血で赤く濡れている刃が貫通していた。
そして その刃は躊躇なく一気に引き抜かれ、玲二は肩から血を噴き出しながら膝をついた。
「いっ……!! うううううっ!!」
熱を帯びている傷口を右手で押さえる玲二。
前面の傷口は強く押さえている お陰で、多少は出血を抑えられているが、背面の傷口からはダラダラと大量の血が流れて服を濡らしていく。
「いたいぃ……いたい、よ……お母さん……!」
有理に腹を刺された時とは比べ物にならない痛みに、玲二の目から涙が零れる。
ズキンズキンと疼く傷、ヌルヌルした温かい血液、そして火でチリチリと焼かれているような熱さ。
今まで味わったことの無い、不快で苦しい痛覚に玲二は気が遠くなりそうになるが、唇を血が出るほど噛み締めて何とか意識を保つ。
「そんなことしなくても、意識は無くならないから大丈夫だよ」
小さな穴が開いた扉を開き、大神が姿を見せる。
「大神……さん……!」
「残念ながら、ゲームオーバーみたいだねえ」
そう言って笑うと、大神はデスサイズを振りかぶった。
だが玲二の目から光は消えておらず、彼はまだ諦めていないようである。
「……オレが死んだらゲームオーバーなんでしょ? だったら……まだ終わってないよっ!」
玲二は素早く拳銃を大神に向け、引き金を引いた。
ガンッ ガンッ
2発連続で撃ち出された弾丸は大神の胸に当たり、血飛沫を飛ばしながら大神がよろめいた。
「今のうちっ!」
一瞬の隙を狙って、玲二は素早く立ち上がると部屋の奥にある青い光に向かって走っていく。
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