659人が本棚に入れています
本棚に追加
「……なかなか根性はあるねえ……見直したよ」
胸にある傷口とコートの穴は瞬時に塞がり、周囲に飛び散った血もスウッと消え去る。
「確かにゲームは終わってない……つまり、まだ楽しみがあるということだね」
わざとらしく、一歩一歩をゆっくり歩く大神。
その狂人じみた笑みからは、この状況を心底 楽しんでいることが見てとれる。
「ハアッ、ハアッ……」
全速力で青い光の前に来た玲二は目を閉じて膝を曲げ、乱れた呼吸を整える。
「ハア…………ふう……」
何とか呼吸を整え、顔を上げると彼の目には青い炎が見えた。
(な、何……!?)
玲二が さらに炎に近づいて覗きこむと、青い炎だけではなく、その炎の中に骸骨を模したレバースイッチが あった。
青い炎のせいでレバースイッチ自体の色は分からないが、台座部分には細長い触手のような物が いくつも巻き付いており、レバーは本物の人骨かと思うほどリアルに作られている。
不気味なレバーと、それを守るように包む青い炎。
この明らかに異様な物体を見た玲二は、このレバーこそが黒斗の言っていた、工場内に電気を通している小細工なのだと予想した。
最初のコメントを投稿しよう!