659人が本棚に入れています
本棚に追加
一方――
「…………何が、どうなっとるんや……?」
プレス機のある部屋で、戸惑った様子の鈴は辺りを見渡していた。
鈴が目を覚ましたのは ほんの数分前であり、意識が戻って早々に視界に入ったプレス機のプレートに驚きつつ、機械が止まっていることに気づいてプレス機から出てきた。
「……クロちゃんやケイちゃんは……どないなったんや」
黒斗を殺すと言って笑っていた恵太郎の様子を思いだし、鈴は急いで部屋の出口に向かった。
彼女がドアノブを掴もうと手を伸ばすと、扉の先に居るであろう誰かがノブを回して扉を開いた。
「…………!」
大神や恵太郎が現れるのではないかと身構えるが、扉を開けて現れたのは親友2人だった。
「クロ、ちゃん……レイちゃん……」
「鈴ちゃん! 無事で良かったー!」
黒斗の傍らに立つ玲二が満面の笑みで言うが、鈴は目を見開いて固まったままである。
「……鈴ちゃん? もしも~し」
鈴の前で手をヒラヒラ振るが、反応は無い。
最初のコメントを投稿しよう!